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【代表ブログ】なぜ沖縄が「日本一の肥満県」と言われるのか?その「食生活推移」

なぜ沖縄が「日本一の肥満県」と言われるのか?その「食生活推移」

こんにちは。代表理事の高久です。
今日はちょっと真面目な内容ではありますが、日本人が見逃してはいけないとても大切なことだと思い、綴りました。

なぜ沖縄が「日本一の肥満県」と言われるのか?その「食生活推移」

かつては長寿県として名高い地位を誇った沖縄県が、異常事態にさらされています。しかし、この背景を読み解くと、「明日は我が身」ということがよく理解できます。暖かい気候と、豊かな自然の沖縄が、これからも美しく元気な土地でありますように。沖縄の学びを生かして、一人一人がより良く生きる意識を持つことの大切さを持つきっかけとなれば幸いです。

 長寿の国と言われた沖縄の現状

なぜ沖縄が「日本一の肥満県」と言われるのか?その「食生活推移」

1995年、「長寿県」と言われた沖縄県は、「世界長寿地域宣言」を発表しました。

「世界長寿地域宣言」全文抜粋

沖縄県は、先の第2次世界大戦において住民をも巻き込んだ国内唯一の地上戦の場となり、 20万人余の尊い生命と貴重な文化遺産を失った。 戦後、本県は焦土の中から立ち上が り、50年を経た今日、社会経済のめざましい発展をと げるとともに、世界に誇れる長寿地域になった。 我々は、この長寿地域の達成が県民の努力と保健医療関係者の熱意の賜であ り、その根底に は恵まれた温暖な気候、先人の英知の結晶である伝統的食生活や文化があることと思う。

また、自然と共生し、異国文化を尊重し、社会的弱者とも共に助け合ってい く「共生」の生き方、 方言で「ユイマール」といわれる相互扶助の習慣や、兄弟のように分け隔てなく付き合う 「イチャリバチョーデー」の県民性がある。 さらに戦禍の教訓として 「命どぅ宝」という平和を希求する沖縄のこころがあり、 その心に支えられた長寿地域であることを改めて思い起こす必要がある。 我々は、太平洋戦争・沖縄戦終結50周年に当た り、我々の祖先が築いてきた独自の文化を大事 にしつつ、健康の大切さ、平和の尊さを訴え、未来に向けて全人類の幸せの道しるべとなるよう、 沖縄県が世界長寿地域であることをここに宣言する。

1995年8月18日 沖縄県知事 大田昌秀
(抜粋「沖縄県医師会HP」http://www.okinawa.med.or.jp/old201402/activities/chouju/chouju.html)

 

沖縄の穏やかな県民性や、長寿をつくる沖縄独特の食文化などが注目され、ゴーヤー・ウコン・フルーツ・塩などが注目され、テレビでの特集番組を目にした方も多いのではないかと思います。

しかし、そのわずか5年後には、男性平均寿命が全国26位に急落。さらにその10年後の2010年には、長年1位をキープしてきた女性平均寿命も3位に落ちました。その後は、男女平均寿命とも下降の一途となっています。

 

 戦後の急激な食の欧米化

なぜ沖縄が「日本一の肥満県」と言われるのか?その「食生活推移」

長寿県としての沖縄を育てた昔ながらの沖縄食とは、非常に質素だったとのことです。その内容は、温暖な地域性を生かした野菜と果物が多く、そこに大豆製品と適度な肉・魚。

日光をよく浴びた野菜・果物は、抗酸化作用の強いフィトケミカルをふんだんに含む色の濃いものが多く、栄養摂取も良かったことが想像できます。

ところが、そんな沖縄の食文化に大きな変化が現れたのが戦後です。
アメリカ統治が始まると、欧米食が沖縄に上陸。

なかでも一番の大きな問題点は、ファーストフード店の参入です。手軽でボリューミーなファーストフードは、子供から若者を中心に人気を集め、欧米食は見事に沖縄の人たちに馴染んでいったのです。

 

 みるみる増える沖縄の「肥満者」たち

今、問題になっているのは、沖縄県民の肥満の多さです。

全国でみた肥満率ランキングでは、2018年では15位となっていますが、(1位:山形県  2位:福島県)、「30歳以上の肥満者の割合」はどの年代でも男女ともに全国平均を上回っており、この結果が「沖縄は日本一の肥満県」と言われるようになった所以です。

肥満は、様々な生活習慣病を引き寄せます。現に、沖縄の「糖尿病死亡率」は男性6位、女性1位となっており、これも肥満人口の増加が後押しをしていることは間違いないでしょう。
肥満である時期が長く続けば、着実に動脈硬化→高血圧→心筋梗塞につながりますし、悪性新生物を増殖させることにもつながります。

 

 沖縄の県民性とアルコール

沖縄に旅行に行ったことはありますか?

あのゆったりと流れる時間は、温暖な気候もあるでしょうが、その温暖な気候で人生を送っている県民性が作り出しているのかもしれません。「なんくるないさー」とはよく聞くもので、ゆったりとした「なんとかなるさ」精神をよく物語っています。

ただ、そのゆったりとした精神が、健康状況の判断を鈍らせるとも言われていますし、何と言っても沖縄の方はよく飲みます!!!
アルコール度数の高い泡盛を、酔い潰れることもなく、本当によく飲みます!

「肝疾患の死亡率」でみて見てると、沖縄県の男女ともに1位をマーク。全国平均の約2倍の死亡率の高さとなっている現状があります。

アルコールの過剰摂取は、肝機能をダイレクトに低下させますし、糖質の過剰摂取にもつながり糖尿病の多さにも確実につながっていることが考えられます。

だいぶ、沖縄の現状について書いてみましたが、まだまだ「沖縄は健康長寿の県」という認知が勝っており、多くの日本人がこの現状を知ることには、我が身を振り返る、という点においても大きな価値があるのではないでしょうか。

 

➖これはわたし達の身近な問題でもある

実はこれ、「決して他人事ではないよ」ということをお伝えしたいのです。
この沖縄からの学びを、日本人全員が自分事として捉えることのメリットの多さがあります。

 毎年の健康診断をどう活かすのか

健康診断と「受けている人」と「受けていない人」とでは、「心疾患発症率」「脳卒中発症率」「全体の死亡率」に差が見られないという欧州の研究結果が発表されたのが2014年のこと。

これは、多くの研究者や医療従事者が話題にしたことです。つまり、健康診断を受けている人は「受け損」をしているということ。

日本では、会社員である限り、なんらかの健康保険組合に属しており、年に1-2回の健康診断が行われていることでしょう。
この健康診断の結果、ちゃんと読んでいますか?
「今年はオッケー」ではなく、「前年度とどう数値の変化があるか」「3年前と比べるとどうか」という視点を持たないと、非常にもったいないのです。

「基準値以内だから」と安心していませんか?

基準値の数値とは、「健康dと思われる人を集めて、その95%が入る範囲」とされています。
大切なのは、ここ数年での数値の変化が起きていないか自分できちんと把握することです。

少しずつ、基準値の上限に近づいていないか?下限に低下していないか?急激に変化している数値はないか?を判断するための毎年の健康診断であるべきなのです。

 基準値を超えていても「今は何の症状もないから様子を見よう」と放置していませんか?

この考え方も非常に危険です。
わたしが、医療現場と食・健康教育歴を含め体感することは、LDLコレステロール値と血糖値の高さです。「少し高い」「やや高い」を数年放置している間に、確実に体の血管と臓器は蝕まれているのです。

ある時急に、「高血圧」「動脈硬化」という言葉が書かれるようになりますが、実はこれはかなりの赤信号だと思ってください。生活習慣病への仲間入りの第一歩なのです。

また、一つの数値にとらわれることなく、全体の数字を見ることができるようになることも大切ですが、そこは、医療者のアドバイスが必要になりますから、遠慮なく医療・専門機関に早期のうちにご相談ください。

 

 食生活を整えることの意義

沖縄での事例からも分かる通り、やはり、身体が生涯健康であるためには、自然の食べ物が必要不可欠なのです。

食文化がこれほどまでに進んだ日本において、質素な食事ばかりをするのは、人生の楽しみが減るような気もしますのでオススメはしませんが、むしろ、それらを存分に楽しむためにも、日頃の食事は野菜・果物など自然の食材を中心に、適度な肉・魚・卵などのタンパク質を摂り、炭水化物を過剰摂取しない食事バランスを意識すること。

さらに重要なのは、ファーストフードなどの加工・添加物食品を日常的に摂取しないことも重要なポイントと言えますね。

 運動ももちろん必要アイテム

もちろん、食生活のみならず、運動も大切です。ダイエットのための運動ではなく、心身の健康を目的にした運動です。

過度な運動は、体内に活性酸素を多く生むために、身体への負担が大きいくなることがわかっています。アスリートの方はまだしも、一般のわたし達が、健康的に生きて行くための運動とは、ごく日常生活で気持ち良くできる範囲の運動で十分なのです。

 ONとOFFをコントロール

女性の社会進出に、少子高齢化社会を起因とする人手不足。これらが相まって、日本の働き世代の労働時間の長さは異常ともいえます。

とくにIT業界における社員の鬱発症割合の高さが指摘されていますが、「仕事・健康・食・家族・娯楽」などに時間とエネルギーを注ぐバランスを意識して考えないと、仕事にばかりのめり込んでしまう人生になりがちです。
ストレスの多い毎日は、確実に食欲や睡眠深度にも影響を及ぼし、健康状態に関係してきます。
ONとOFFをしっかりコントロールする意識を、会社全体で持てるように経営側が促せる風潮になっていくといいですね。

代表理事 高久恵美子