自分も家族もずっと健康でありたい。
そのためには、やはり毎日の食事は大切です。
今回は、食事を整えて健康になりたいと思ったときに、取り組みたいことについてお話ししたいと思います。
1、朝食を食べる工夫をしましょう
朝の起きたての身体は、体温や血糖値が下がっている状態です。内臓や脳の動きも低下したままです。
朝食を食べることで、身体を目覚めさせることができ、学校や会社に着く頃には脳も活発に機能するようになります。
とはいえ、食べることができれば何でもよいか、というとそうではありません。
菓子パンだけ、ヨーグルトだけ、よりも、野菜や卵の入ったお味噌汁とおにぎり、など、数種の食材を確保した内容を意識すると、様々な栄養を確保することができます。
お味噌汁などは、前の日の残り物で十分ですね。気楽に「まずは食べる」を続けていきましょう。
2、水分をしっかりとりましょう
水は、食べ物の消化・吸収を助け、身体の中で様々な栄養素を運び、体温を一定に保つようコントロールするために使われるなど、まさに生命を支える大切な役割を持っています。
細胞内での代謝にも水は必要なため、健康的に体型をキープしたい場合にも欠かせない存在です。
体内の水分は、汗や呼吸などによっても失われます(不感蒸泄)。
季節や状況によって変わりますが、日常生活を送っているだけで1日に 体重kg×15ml (体重50kgなら750ml)の水分を失っていることになります。
目安としては、腎臓や心臓などに疾患のない場合、体重kg×30ml(体重50kgなら1,500ml)の水分補給が必要とされています。
3、バランスを意識しましょう
食事を整えて健康を手に入れる、ということは、栄養のバランスを大切にすることとは切っても切り離せません。
食材にはそれぞれ役割があるります。
つい、「野菜をたくさん食べよう」と思いがちですが、野菜・たんぱく質・炭水化物などを網羅した食事が好ましいと言えます。
一回の食事に、
- 野菜:サラダ、お味噌汁、和え物など
- たんぱく質:卵料理、魚料理、肉料理など
- 炭水化物:米などの主食
を揃えることで、健康な身体づくりに必要な栄養素をくまなく摂取することが可能になります。
4、単品食べには「ちょい足し」で工夫を
とはいえ、毎日毎食、バランスの良い食事を準備するのはなかなか難しい時もありますよね。
そんな時は「ちょい足し」ができないかを考えることをお勧めします。
どうしてもやりがちなのが、炭水化物の単品食べです。
炭水化物の単品食べを繰り返してしまうと、栄養のばらつきが生じます。
菓子パンなどは、油が多くカロリーが高いですが、ビタミン・ミネラル・食物繊維・たんぱく質などの栄養素は確保できません。
牛丼も、肉や米から、たんぱく質と炭水化物はとれますが、ビタミン・ミネラル・食物繊維といった栄養素が不足しています。
- 菓子パン+サラダ+サラダチキン
- 牛丼+野菜の小鉢
というように、単品料理に不足している食材の「ちょい足し」をするだけで、内容が変わっていきます。
特に、炭水化物が多めの単品ものの場合、血糖値の急上昇も招きやすいため、野菜などの食物繊維を確保できるサイドメニューはないか、チェックしてみましょう。
5、よく噛むことを意識しましょう
よく噛むことで、満腹中枢の刺激が強くなり、食欲を抑制してくれます。空腹感の強い時こそ急いで食べがちですが、ドカ食い防止につながりますのでゆっくり食べることを意識しましょう。
また、よく噛むことで唾液や胃液の分泌が促進されます。すると、食事の消化吸収が高まりやすくなり、胃腸にも優しい食べ方となります。
もう一つ嬉しいことは、同じ定食を食べた場合でも、早食いをした場合とゆっくり咀嚼をして食べた場合とでは、血糖値の上昇にも違いがでるということです。
しっかりと咀嚼した場合は、血糖値の上昇が緩やかになるため、肥満防止には大きな意味がありますね。
6、飲み物で「甘味」をとらないようにしましょう
どんなに健康に気を使っている人でも、よくあるのがカフェの休憩タイムに飲む甘い飲み物がやめられない、というケースです。
カフェには、季節ものの甘いドリンクメニューがつきものですが、砂糖の使用量は相当なものと認識してください。
コーヒー・紅茶もなるべくブラック・ストレートを楽しみましょう。
また、砂糖を含むジュース全般とともに、果汁100%ジュースも気をつけましょう。
果糖を加えたものがほとんどで、「健康によさそう」と毎日飲んでいると、糖質の過剰摂取にもつながる可能性も。
飲み物は、甘くないものが当たり前、という認識を家族みんなで持てるといいですね。
「食事を整えて健康になりたい」は、できることから始めましょう
ごくごく簡単なことの積み重ねが、身体への負担をなくし、体質を変えることにつながります。
- 朝食を食べる工夫をしましょう
- 水分をしっかりとりましょう
- バランスを意識しましょう
- 単品食べには「ちょい足し」で工夫を
- よく噛む
- 飲み物で「甘味」をとらない
どれも簡単なことですので、気づいたことを続けるだけで、習慣化していけるといいですね。

高久恵美子 一般社団法人 日本美食脳アカデミー協会 代表理事看護師/保健師看護師として慢性期・急性期医療に携わったのち独立。自身の経験も含め多くの食生活・健康管理相談を受け、食育普及活動を行っている。この著者の記事
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